![]() 顔合わせ 中年×青年 複数 1/2/3 /4/5 /6/7 /8/9 /10/11 /12/13 /14/15 ![]() -1- 友里を呼んだのは主任の真田だった。 「はい、今戻りました」 つい今し方、外から戻ったばかりだった。 「なら、俺と一緒について来い。社長から呼び出しだ」 「ですが、午後一で日吉に発注伝票を送らないと……」 「そんなもん他のやつにやらせればいいだろ」 そう言われても友里は困ってしまう。 駆け出しの友里には気軽に仕事を頼める人物などいなかった。 ましてや、高津専務との契約が取れてからというもの、先輩社員との見えない壁ができたようで、友里は浮いた存在だった。 たびたび社長に呼び出されることも、その原因のひとつだろう。 現に皆、真田の言葉は聞こえただろうに、誰も友里と目を合わせようとしない。 「水畑、お前坂下の代わりにやっといてやれ」 仕方がないと言った風に真田が声を掛ける。 「え〜っ、嫌ですよ。俺もこの後すぐ出ないとダメなんですよぉ」 「もともと坂下はお前の下付きだろうが。それに、お前の出先は長友だろ。多少の融通は聞くはずだ」 「はいはい、わかりましたよ。やればいいんでしょ」 しぶしぶと水畑は引き受けた。 「すいません、お願いします」 友里は水畑に頭を下げたが、彼は一べつを向けただけでだった。 真田について部屋から出る寸前に、水畑の独り言が聞こえた。 「あ〜あ、まったく貧乏くじ引かされたぜ。大して仕事もできないくせに、上司に媚びるのが上手いだけで、引き立てられるようなやつの、尻拭いをさせられるなんてさ」 それは間違いなく友里に聞こえるように言った言葉だった。 友里は強張った表情で青ざめる。 水畑の言葉が、心の奥に突き刺さる。 それはまぎれもない事実だった。 「水畑の言葉なら気にするな。あんなものただのやっかみだ。羨ましいなら一億円の契約を取って来てみろとでも言ってやれ」 エレベーターを待つ間に真田が言った。 「そんな……僕、いえ私が仕事ができないのは本当のことですから」 チンと小さな音がなってドアが開く。 「仕事なんて結果が全てなんだ。過程なんてどうでもいい」 真田は最上階のボタンを押す。まもなく扉が閉まった。 「お前はこの躯で業績を上げた。別に恥じることではないさ」 真田に肩を掴まれて、友里は思わず後づさる。 真田の目が服の下まで見られているようで恐ろしかった。 「しかし、まさかうちの社長まで、お前に執着するとは思わなかったがな」 「あの……主任……それはどういう……」 ニヤリと真田の口角が釣り上がる。 「隠さなくっても分かるって。ここ最近お前の腰付きどんどんエロくなってるし」 そう言って、脇腹から腰骨の辺りを撫でられた。 「ひぃうっ……」 その嫌らしい手付きに、服の上からだというのに、肌が粟立つ。 「これぐらいで感じるなんて、すげー感度だな。お前、社長にどんな調教されてんだよ」 真田は、にやにやといやらしい笑みを浮かべ、ゆっくりと無遠慮に腰を撫でまわす。 ゾクゾクと這い上がる感覚に躯が震えた。 ![]() (←)(→) (戻る) (top )
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